いまの日本には日本列島を改造する余裕はあるのか

北海道新幹線の最高速度を140kmから160kmに引き上げることで、東京から函館までの時間を4時間以内に抑えることで、飛行機に乗る乗客を新幹線に呼び戻す計画のようです。

私見を申し上げると最高速度を引き上げたところで函館から東京までで45,000円以上かかる時点で、この計画は破綻していると考えます。さらに、函館から札幌までの特急列車に乗ると合計で60,000円以上かかる計算になります。東京から札幌までを航空機で移動した場合、20,000円を切る航空券もあり、2時間で移動することができるため、利用者が新幹線を利用するメリットは低いでしょう。

まだ札幌ー函館間のが開業しておりませんが、乗客数が増える見込みが立っておりません。

response.jp

さらにJR北海道が普通路線で赤字を拡大する中、北海道新幹線だけで100億円を突破する見込みになっています。なぜ企業が赤字を拡大するような事業を継続するのかというと、整備新幹線という国策が今も継続しているからです。

積極財政のための公共事業という側面があることは理解できますが、新幹線が負債になってしまった場合、経済に暗い影を落とすことになるでしょう。

待機児童問題を言葉遊びで国民を挑発する杉田水脈氏。

自民党の議員のほとんどに言えることですが、日本の家族観が昭和時代で止まっているように見えます。現在は夫がサラリーマンで妻が専業主婦の核家族というのは少数になっていて、子育て世代である若年層世代のほどんどが共働きであることを知らないようです。

そのような世間知らずの杉田水脈氏へツイッターから様々なツッコミが入っています。

杉田氏は以前に話題になった「保育園落ちた日本死ね」から始まる待機児童問題についても産経新聞の連載でこのように発言しています。

「『あなたよりも必要度の高い人がいた』というだけのこと。言い換えれば『あなたは必要度が低いので自分で何とかしなさい』ということなのです」

そもそも安倍内閣では。野田聖子女性活躍推進大臣を任命してM字カーブの改善に力を入れていると言われています。M字カーブとは女性の年齢別の労働人口を描いたグラフのことです。25~40歳の子育て世代で労働人口が落ち込むことからそう言われています。

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第1-特-10図 女性の年齢階級別労働力率の世代による特徴 | 内閣府男女共同参画局

杉田水脈氏のこの発言は自らが崇拝する安倍首相の足を引っ張るだけでしょう。日本の議会から杉田氏のような発言をする議員が無くなることを望みます。

韓国の経済政策は何故失敗したのか?

 韓国経済が不調だ。文在寅(ムン・ジェイン)政権の「失策」がやり玉にあがり、現状は日本の民主党政権の失敗を彷彿(ほうふつ)とさせる。「来年も最低賃金引き上げで中小企業はさらに厳しくなる」。韓国の中小企業経営者の悲鳴を韓国経済新聞は伝えている。文政権による最低賃金の引き上げ政策で人件費が膨らみ、経営体力の弱い中小企業が人員削減を迫られているのだ。今月発表された韓国の今年7~9月期の実質国内総生産(GDP)改定値は前期比の年率換算で2・27%増と速報値(2・31%増)から下方修正された。前期(2・40%増)に比べると経済成長の鈍化はより明白だ。

韓国の経済政策の失敗は明白ですが、その失敗が経済の教科書に乗るほど典型的な失敗でしたのでまとめてみたいと思います。

まずムンジェイン大統領になってから行った政策が最低賃金の引き上げ政策です。最低賃金の引き上げは「一部」の労働者にとって賃金の上昇になりますが、経営者側からみて負担増になります。

そのため上記の引用からわかりますが、体力の弱い中小企業にとって労働者の雇うインセンティブが減少し、それが韓国経済の悪化につながっていると考えられます。

ムンジェイン大統領は非正規雇用と正規雇用の格差を解消することを目的に行ったと思いますが、この政策を発表した際にマクロ経済に明るいブレーンがいなかったのでは無いかと思います。

 2月13日に1月の失業者数が過去19年で最悪だとの統計が発表されると、洪楠基(ホン・ナムギ)経済副首相は予定になかった経済閣僚会議を開いた。政府機関による採用をさらに2000人増やすというのが骨子だった。数日後、昨年10-12月の所得分配が過去最悪だったとする統計が出ると、洪副首相は再び緊急関係閣僚会議を開き、政府予算を低所得層に振り向けると述べた。

政府機関による採用をさらに2000人増やすという財政政策を行うことが検討されていますが、あまり効果があるとは思えません。本当に完全雇用を目指すためには、積極的な金融政策が必要ですが、ムンジェイン政権がそのような経済政策を行う可能性は皆無でしょう。

田中秀臣「雇用大崩壊―失業率10%時代の到来」

雇用大崩壊―失業率10%時代の到来 (生活人新書)

雇用大崩壊―失業率10%時代の到来 (生活人新書)

  • 作者: 田中秀臣
  • 出版社/メーカー: 日本放送出版協会
  • 発売日: 2009/03
  • メディア: 単行本

戦後最悪の経済不況の嵐が世界を吹き荒れるなか、対応が後手に回る日本。もはや金融崩壊どころではない。雇用の大崩壊が目前に迫っている。失業率が10%を超えると、いったい日本はどうなってしまうのか。働く人々の不安と希望の喪失という現状を描き出し、解消の道を探る緊急提言の書。

日本の完全失業率に信頼性がない理由として挙げられるのは、働こうという意思を持たない失業者は除外されることです。働こうという意思が持たない失業者を加えれば、完全失業率は2%上昇すると言われています。働くためのスキルがあり、高等教育を受けた労働者でも、働こうという意思がなければ、日本の完全失業率の中には入らないということです。この本はそのようなことを指摘しております。

この本の指摘しているのは、一つ目が日本に必要なことは失業保険を完備するなどの失業手当を充実させること。二つ目が納税者背番号制、今で言うマイナンバーによってセーフティネットを完備することなどを提言しています。

飯田 泰之・雨宮 処凛「脱貧困の経済学」

脱貧困の経済学-日本はまだ変えられる

脱貧困の経済学-日本はまだ変えられる

  • 作者: 飯田泰之,雨宮処凛
  • 出版社/メーカー: 自由国民社
  • 発売日: 2009/08/21
  • メディア: 単行本

貧困に効くのは「経済学っぽい考え方」なんです。
反貧困運動の象徴・雨宮処凛がぶつける質問・疑問・要求に、若きエコノミスト・飯田泰之がズバっと「経済学的に」答えます。
最低賃金規制でプレカリアートは幸せになるのか?
経済成長しないと毎年2%ずつ失業する?
派遣規制で貧困は止められるのか?
ベーシック・インカムは実現可能か?
再分配で不平等が拡大している?…など

この本が書かれた背景を説明すると、2008年にリーマンショックが起き、その影響で08年から09年に年末年始に東京の日比谷公園にて年越し派遣村が開設されたあとに書かれた本になります。そのため、貧困や格差を是正するためには具体的に何をすればいいのか、気鋭のエコノミスト・飯田泰之に話を聞いた、というあらすじです。

この本はすでに出版されて10年前になりますが、内容は今でも必要とされている経済学の知識です。貧困を無くすためには、経済学はどのような処方箋が出せるのか、この本を通して経済学のエッセンスを垣間見ることが出来ます。

この本を読んでほしいのは、日本の比較的リベラルな考えを持つ人です。内田樹を初めとした左翼は経済成長を憎悪していますが、経済成長がないと貧困が拡大し、失業が増加することが本書に書かれています。ですが、内田樹はアベノミクスのすべての政策を批判してしまい、良い経済政策でさえも批判し、結局経済について無知なままです。

そのような状態を解消することができるのが本書です。格差を是正するためにはどのようなことを政治に求めればいいのか、貧困と経済学について知りたい方は本書をお読みください。